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2025年法改正で木造住宅の確認申請はどう変わったか

2025年4月の改正から1年半、木造住宅の確認申請で何が変わったのか

2025年4月に、建築基準法と建築物省エネ法の改正が施行されました。この記事を書いている時点(2026年10月)で、施行からすでに1年半が経っています。

この改正によって、一般的な木造2階建て住宅の確認申請には、いくつかの変化がありました。この記事では、2025年の改正で確認申請の仕組みがどう変わったのか、そしてテクトアが実務の中で実際に感じている変化について、ご説明します。構造関係の見直しについては、「許容応力度計算とは?壁量計算との違いをわかりやすく解説」でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

何が変わったか:新2号・新3号と、追加になった図書

2025年4月1日の施行により、確認申請の対象となる建築物の区分(建築基準法第6条第1項)が見直されました。いわゆる「4号特例の縮小」です。

改正前の区分は、建物の用途・構造・規模・建てる場所によって第1号から第4号に分かれていて、一般的な木造2階建ての戸建住宅の多くは第4号に当たっていました。

改正後も、第1号は特殊建築物(劇場・病院・学校・共同住宅など、建築基準法別表第一に掲げる用途で、その用途の床面積の合計が200㎡を超えるもの)です。第1号以外の建築物は、木造かどうかに関係なく、階数と延べ面積で第2号・第3号に区分されます。

  • 新2号建築物:第1号を除き、階数が2以上、または延べ面積が200㎡を超える建築物。建てる場所にかかわらず確認申請が必要です。確認申請では、従来の確認申請書・図書に加えて、構造関係規定等の図書と、省エネ関連の図書の提出が必要になりました。
  • 新3号建築物:第1号・第2号以外の建築物のうち、都市計画区域等の区域内に建てるもの(木造の戸建住宅では、平屋で延べ面積200㎡以下のもの)。確認申請で提出する図書は、従来の4号建築物と同様に一部が省略されます。

つまり、旧4号建築物は単純に2つに分かれたのではなく、規模に応じて新2号か新3号のどちらかに当てはめ直されています。木造2階建ての戸建住宅は新2号、木造平屋で延べ面積200㎡以下の戸建住宅は新3号です。また、都市計画区域等の区域外では、改正前は確認申請の対象外だった木造2階建て住宅なども、新2号として確認申請が必要になりました。

一般的な木造2階建ての住宅は、この新2号建築物に当たります。そのため、これまで審査が省略されていた構造関係規定・省エネ関連の図書を、確認申請の際に新たに提出する必要があります。

なお、個別の建物が新2号・新3号のどちらに当たるかは、建物の規模や形状によって判断が必要です。個別の案件については、所管の特定行政庁や指定確認検査機関にご確認ください。

省エネ基準の適合義務化と省エネ適判

2025年4月から、全ての新築で省エネ基準への適合が義務化されました(2025年4月以降に工事に着手するものが対象)。これにともない、省エネ適合性判定(省エネ適判)の手続きが必要になる場合があります。ただし、仕様基準で評価する場合は、省エネ適判は不要です。

新2号建築物では、確認申請の際に、省エネ関連の図書の提出が必要になります。

テクトアでは、外皮性能計算(UA値等)や一次エネルギー消費量計算、省エネ適判の申請支援を行っていますので、省エネ関連の手続きについてもあわせてご相談いただけます。

構造関係の見直し(要点)

2025年4月の改正では、構造関係の規定も見直されています。ここでは要点だけご紹介します。

  • 必要な壁量の算定方法が、「軽い屋根」「重い屋根」という区分による算定から、建物の荷重の実態に応じた算定式に変わりました。
  • 2階建て以下の木造建築物で構造計算が必要になる規模が、延べ面積500㎡超から300㎡超に引き下げられました。
  • 一定の条件を満たす木造建築物について、改正法の施行後1年間(令和8年3月31日着工分まで)設けられていた経過措置は終了しています。現在新しく着工する建物は、改正後の基準で確認する必要があります。

詳しくは「許容応力度計算とは?壁量計算との違いをわかりやすく解説」をご覧ください。

実務で感じている変化:審査に時間がかかるようになった

テクトアが実務の中で感じている変化に、確認申請の審査にかかる時間があります。代表の実感として、審査にかかる期間は、改正前と比べて大きく変わりました。

制度の面では、建築基準法第6条第4項が、建築主事等(建築主事・建築副主事)が確認申請を受理してから審査する法定の期間を定めています。新2号建築物は受理した日から35日以内で、改正前の4号建築物は7日以内でした。

この期間は建築主事等が審査する場合のもので、民間の指定確認検査機関による確認に一律に適用されるものではありません(同法第6条の2)。また、法定期間は審査期間の上限であり、実際にかかる日数は案件や審査機関によって異なります。

ここで大切なのは、特定の審査機関がどうという話ではなく、「確認申請には、改正前よりも時間がかかる前提で工程を組む必要がある」という点です。着工予定日が決まっている場合は、できるだけ早い段階でご相談いただくことをお勧めします。工程に余裕を持たせておくことが、これまで以上に大切になっています。

工務店から実際によく聞かれる「リノベーションの確認申請」

法改正以降、工務店の皆様から実際によく聞かれる質問の一つが、「リノベーションで確認申請が必要になるかどうかの境目」です。

木造2階建てなどの新2号建築物(木造2階建て、または木造平屋で延べ面積200㎡超)で、2025年4月以降に着工する「大規模なリフォーム」(大規模の修繕・大規模の模様替)は、工事に着手する前に建築確認の手続きが必要になりました。改正前の4号建築物では、大規模なリフォームの建築確認は不要でした。一方、新3号建築物(木造平屋で延べ面積200㎡以下)は、改正後も大規模なリフォームの建築確認は不要です。

「大規模なリフォーム」とは、建築基準法の「大規模の修繕・大規模の模様替」のことで、主要構造部(壁・柱・床・はり・屋根・階段)のうち一種以上について、その過半を修繕・模様替することをいいます(建築基準法第2条第14号・第15号)。過半かどうかは、主要構造部ごとに判断します。

国土交通省の事例集では、次のように整理されています。

  • 屋根:垂木にまで及ぶ改修で、改修面積が総水平投影面積の過半となる場合は確認が必要。カバー工法による改修は不要とされる例
  • 壁:壁を構成する主要な材にまで及ぶ改修で、改修面積が総面積の過半となる場合は確認が必要。カバー工法による改修は不要とされる例
  • 床(最下階の床を除く):根太にまで及ぶ改修で、改修面積が総水平投影面積の過半となる場合は確認が必要。既存の床の上に新しい仕上げ材を被せる改修は不要とされる例
  • 階段:階段の過半を架け替える場合は確認が必要。既存の階段の上に新しい仕上げ材を被せる改修は不要とされる例

つまり、階段や屋根の改修であれば必ず確認申請が必要になるわけではありません。改修が主要構造部を構成する部材(屋根なら垂木、床なら根太など)にまで及び、その部分の過半に当たるかどうかが判断の基準です。

仕上げ材の張り替えやカバー工法も、確認申請が不要とされているのは、工事が主要構造部を構成する部材に及ばない場合の例です。「仕上げ材の工事だから」「カバー工法だから」という理由だけで一律に不要と判断できるものではありません。国土交通省も、事例集は事例のイメージとして整理したもので、実際の計画で判断がつかない場合は特定行政庁に相談するよう案内しています。

また、キッチン・トイレ・浴室などの水回りのみのリフォームや、バリアフリー化のための手すり・スロープの設置工事は、従来どおり確認申請は不要です。ただし、工事の内容によっては大規模なリフォームに該当する場合があるため、個別の案件については、所管の特定行政庁や指定確認検査機関にご確認ください。なお、確認申請が不要な場合でも、リフォーム後の建物は建築基準法の規定に適合している必要があります。

確認申請が必要な工事は、着工前に手続きを終える必要があります。確認済証の交付を受けずに工事を行った場合には罰則もあるため、リノベーションを計画する際は、早い段階で確認申請の要否を確認しておくことをお勧めします。国土交通省は「リフォームにおける建築確認要否の解説事例集」も公開しています。

提供していただく資料は増えた、進め方は変えていない

今回の改正を受けて、テクトアが確認申請の進め方そのものを変えたことはありません。改正前から変わらず、必要な図書・資料をきちんと確認しながら申請を進めています。

一方で、確認申請で求められる図書が増えたことにともない、それらを作成するために工務店の皆様からご提供いただく資料は増えています。省エネに関わる仕様の資料なども含めて、必要な資料を依頼の最初の段階でそろえていただくことをお願いしています。

依頼時にお願いしている資料については、「構造計算を依頼する際に必要な図面・資料」でご紹介しています。

長期優良住宅の依頼が増えています

法改正以降、長期優良住宅に関するご依頼が増えています。

テクトアでは、長期優良住宅の認定申請書類の作成支援に加えて、構造計算書(許容応力度計算)や省エネ関係計算書の作成まで、あわせて対応しています。構造・省エネ・申請書類の整合を確認しながら進められるのが、まとめてご依頼いただく利点です。詳しくは「長期優良住宅関連業務」をご覧ください。

まとめ

2025年4月の改正により、一般的な木造2階建て住宅は新2号建築物となり、確認申請で構造関係・省エネ関連の図書の提出が必要になりました。審査にかかる時間にも変化があり、これまでより時間的な余裕を持って工程を組むことが大切になっています。また、リノベーションにおける確認申請の要否についても、改正後に変わった点があります。

テクトアでは、構造計算・外皮計算(省エネ計算)・確認申請支援・長期優良住宅関連業務を、ひとつの窓口でまとめてご依頼いただけます。それぞれ単体でのご依頼にも対応しています。

まずは現時点でお手元にある資料をお送りいただければ、不足している資料をご案内します。費用は案件ごとの個別見積りで、資料を確認したうえでお見積りをご提示します。納期についても、必要資料を確認後、案件内容に応じてご案内します。着工予定日が決まっている場合は、ご相談の際にお知らせください。

初回のご相談は無料です。全国対応しており、打ち合わせや資料のやり取りはオンラインで完結しますので、遠方の工務店様でもご依頼いただけます。対応内容は「確認申請支援」のページでもご案内しています。

参考資料

法令(e-Gov法令検索・現行条文)

  • 建築基準法(第2条第5号・第14号・第15号、第6条第1項・第4項、第6条の2、第20条)

国土交通省

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